日本とアメリカのお笑いスタイルの違いとは

お笑いと人事をつなげて、ブログを書くぞ!と、息巻いて始めたのはいいものの、なかなか難しいというか、大した話がかけず申し訳ないというか(だれに?)、がんばりますというか、なんといか。というなんとも言えない感情に苛まれながらも、筆を進めていきたいと思います。

今日は、「日本以外のお笑いはどうなっているのか」が気になったのでいろいろ調べて見ました。(主にアメリカ)

■アメリカの主なお笑いスタイル

・スタンドアップコメディが主流

(一人で舞台に立ち、しゃべくる。日本でいう、綾小路きみまろ的な感じ)

・ネタの内容は、政治、宗教、下ネタなどの「皮肉」がほとんど

(教養が重視される。日本でいうと、爆笑問題さん、ウーマンラッシュアワーさんなどでしょうか。)

・頭を叩くツッコミは許容されない。

(松本人志さんが、昔アメリカに挑戦した際、小手調べで日本のお笑い番組を見せた際、現地の人から嫌悪感を示されたらしい)

■日本の主なお笑いスタイル

・漫才やコント、ひな壇芸人など、複数人で笑いを作る

・ネタの内容は、他者に対する皮肉より、自嘲が多い。

・頭を叩くツッコミが比較的許容される(今は微妙かもしれませんが)

■なぜこのようなお笑いスタイルの差が生まれたのか

では、なぜこのような違いがあるかに対しては、ベストセラーとなったエリン・メイヤー著書「異文化理解力」に書かれていた、コンテクスト性の違いからくるものが大きいとのことです。

 

よくあるわかりやすい例として、「大阪のおばちゃん」と言われた場合の解釈の違いが上げられます。

ローコンクスト文化の場合、「大阪在住の中年の女性」でこれ以上もこれ以下もない、ハイコンテクスト文化である日本の場合、「大阪にいるヒョウ柄の服を来た、常にかばんに飴玉を忍ばせている、パンチパーマのおばちゃん」までだいたいの人がイメージを膨らませることができます。

つまり、多民族ではない島国だからこそ、「以心伝心」「空気を読む」などの共有された暗黙知があるからこそ、「あるあるネタ」などに代表される日本特有のお笑いスタイルが生まれたのだ!と、ここまでが調べた内容です。

 

たしかに、全国民が共通理解をもっているおばちゃんは大阪ぐらいでしょう。(誰がこんなパワーワードを生んだのか気になりますが。)ただ、コンテクスト性の違いが、お笑いスタイルの違いにどうつながっているのかが、あまり理解することができません。

 

ですので、自分なりに次のように解釈しました。

■コンテクスト性の違いがお笑いスタイルの違いを生む理由とは

・ボケ=間違った振る舞いをすること(※Wikipediaより抜粋)

・ツッコミ=ボケの間違いを正す人(ナイツでいう土屋さん)、指摘する人

とします。

ハイコンテクスト文化だからこそ、言葉に曖昧な表現が多くなるため、ボケ役の間違ったことと普通のことの差分がわかりにくくなってしまう。(ボケの数が多いと尚更わからなくなる。)そのため、ツッコミ役が必要となる。加えて、ハイコンテクスト文化だからこそ、ふつうのことの共通理解があるため、ツッコミに共感が生まれやすく、さらに差分がはっきりし爆発力を増す。だから、漫才、コントなど、チームで行うお笑いスタイルが確立された?

 

また、一定の教養と知識が必要な社会風刺系のネタと比べて、日本のよくあるお笑いネタである、日常シーンを切り取ったようなネタは、笑ってもらえる対象人数が必然的に多くなる。(知識がなくても気軽に万人が笑うことができる。)そのため、日常シーンを切り取ったようなネタのほうが視聴率をとることができ、テレビなどにキャスティングされやすくなる。少なくとも社会風刺系のネタは批判も浴びることになるでしょうから、それ相応の覚悟と勉強が必要。だからあまり社会風刺系のネタは発達しなかった?

 

前述した内容は、想像の域を超えませんが、ハイコンテクストな文化がもたらした産物であることに感謝し、ビールを片手に今日もお笑い番組を見たいと思います。

■ハイコンテクストな文化の弊害

最後に、ハイコンテクスト文化だからこそ、人事においては細心の注意を払う必要があることも少し触れておきます。

・部下とのコミュニケーションにおいて、「わかってるだろう」という前提で、多義的な言葉による指示やフィードバックを出すと、部下は迷い行動しづらくなる。

・面接において、候補者の発言を勝手に頭で「こうだろう」と補完してしまい、精度の低いジャッジをしてしまう。

どれもハイコンテクストな文化が故の弊害です。部下に指示を出す際は必ず一義的な言葉にする。面接を行う際は、しつこく具体化する。などは徹底していきたいところです。

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木下雄介

愛媛県出身。新卒で飲食ベンチャーであるきちりに入社後、リクルートに不動産広告の営業職として転職。 飲食ベンチャーでは成果が出ている店舗は“人”のコンディションがいいことや、“人”をマネジメントすることの難しさを感じた。リクルートでは“人”の課題で苦しんでいるクライアントと対峙してきたことから、漠然と“人”に興味が湧いていた。そんな中で当社の「結論ありきのコンサルティングはしない」というスタンスに魅力を感じ入社を決め、今に至る

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