人こそ最大の競合優位性?

こんにちは、木下です。

 

私事ですが、最近入籍いたしました。

いきなりですが、ご結婚されている皆さんは結婚指輪をどのように選びましたか?

 

我が家は既製品ではなく、オーダーメイドで自分たちが好きなデザインにしようとなり、お店探しから始めることにしました。我々の選定基準としては、「妻のやや癖強めの気に入ったデザインの加工が可能かどうか」その次に「価格」その次に、「いい担当者だといいなぁ」くらいで考えていました。

 

オーダーの指輪を生業にしているところはあまり多くなく、ネットの情報から4店舗に選定することができました。

 

・店舗A:有資格者(国家資格)が接客対応。

・店舗B:広告、外観、立地、内装、接客内容のマニュアル化で特別感を演出。

・店舗C:徹底的なコストカット。

・店舗D:夫婦で営むアットホームな店舗。

 

最初のうちは、オーダーの指輪に関してはどこもあまり差がなく、選ぶのに苦労するだろうなと感じていました。

 

結果として、

・好きなデザインの加工が可能かどうか:C以外遜色ない

・価格:B以外遜色ない(集客、演出へのコスト高で仕方ないということか。)

ということがわかり、残す選択肢はAかD。

ここからいろんな観点から話し合いを重ね、喧嘩も数回交えながらどっちにするか決める日が始まる。そう覚悟していました。

 

しかし、お互い迷いはまったくなく、最後に訪問したDに即決することができたのです。

(指輪どうこうより、こんなにもすんなり意思決定できたことへの感動のあまり、この出来事を言語化し、教訓を導き出したい欲にあふれている自分がいました。かなり勉強になった一日で、やや興奮気味で今この記事を書いています。)

 

では、何が店舗Dはよかったのか。

それは、その担当者が圧倒的にプロであったことでした。

 

接客で重要なことは、「短い時間で顧客の心を掴むこと」とすると、自身のコンサルティングに活かせることがあるため、4つのポイントに絞って書いてみたいと思います。

 

===

■ 相手の要望を汲み取ることができる

どんな指輪がいいとか、感情的な部分をすべて汲み取ってくれていた。妻の難易度の高い要望に対しても「できない!」と断るのではなく、感情的な部分を汲み取った上で、適切な伝え方をしてくださっていた。

 

■ メリデメを伝えるだけではなく、プロとしての推奨選択肢を提示してくれていた

表面の加工をどうするか、どんな石をいれるか、石の入れ方はどうするかなど、様々な選択肢がある中、それぞれの選択肢におけるメリット・デメリットを提示し、プロとしての推奨選択肢を投げかけてくれる。決して無理に決定させようとしないが、情報が正確なため、結果としてスムーズに意思決定をすることができた。

 

■ エビデンスベースで情報を伝えることをしてくれた

・このデザインはどこの国の発祥で、どんな意味がこめられているのか

・温泉にはいったら変色しますか?という質問に対して

→硫黄と反応することで金属が変色することがたまにある。硫黄と反応しやすい金属は〇〇(忘れました)この金属は、銀が◯%、銅が◯%・・・だから反応しやすい。と回答。

など、質問に対して意見とか感想ではなく、エビデンスベースで回答してくれるため、非常にわかりやすく、決めやすい。

 

■ すべてを濁して責任を取らないではなく、言い切るところはしっかり言い切ってくれた

妻がいいと思っている石が、やや癖の強い希少性の高いもののため、石選びによって品質が左右されるものでした。つまり、ある意味ギャンブルで、その石が気にいるかどうかは運任せのため、やや不安に思っていました。

 

ほとんどの店舗が保険をかけ、「仕入れてみないとわからない、もしかしたらお気に召さない可能性があることを了承してほしい」という感じでした。

しかし、ここも店舗Dは違いました。

 

「石選びに関しては、おまかせいただくしかない。」

「ただ、直接自分の目でみるので大丈夫です。」

「だから、信じてください。」

 

しびれました。

 

何気ない言葉ですが、この瞬間信頼度はMAXまで上昇し、売られていたらツボでも水晶でも買っていたと思います。

(妻も泣きそうになったと言っておりました。)

 

===

 

商品自体の差別化が難しい中、各店どのような差別化をはかっていて、結局最後の決め手となる要素はなにかなど、大変勉強になった経験となりました。(お相手をしてくださった方、本当にありがとうございます。)

 

今回感じた圧倒的なプロ感をもう少し抽象化してとらえると、

・お客様の満足度を上げるための絶対条件として、知識のインプットは大前提必要

・他の方と差をつけるポイントは、勉強した内容を適切に伝えることができるか

 

であると感じました。

 

これからもクライアント様のよきパートナーで有り続けられるように、引き続き精進してまいります。

 

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木下雄介

愛媛県出身。新卒で飲食ベンチャーであるきちりに入社後、リクルートに不動産広告の営業職として転職。 飲食ベンチャーでは成果が出ている店舗は“人”のコンディションがいいことや、“人”をマネジメントすることの難しさを感じた。リクルートでは“人”の課題で苦しんでいるクライアントと対峙してきたことから、漠然と“人”に興味が湧いていた。そんな中で当社の「結論ありきのコンサルティングはしない」というスタンスに魅力を感じ入社を決め、今に至る

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