マヂカルラブリーさんの漫才かどうか問題について

こんにちは、人材研究所の木下です。

 

最近登山にハマり、昨日も大雨の中登ってきました。

2ヶ月~3ヶ月に一回のペースなので、全く身体がなれず、毎回地獄のようにきついです。

ただ、地獄のようにきつい山を登ったあとの、頂上での絶景&ご飯タイムがなんとも言えない高揚感といいますか、達成感といいますか、それを味わうために登っております。

 

「山登りは人生そのものだ。」

 

なんてかっこいいことを言えるほど登っていないので、これについてはもう少し経験値を積んだら書いてみたいと思います。

 

今日は、登山の話は全く関係なく、「マヂカルラブリーさんの漫才かどうか問題」について考えてみたいと思います。

■マヂカルラブリーさんの漫才に対して

020年、第16代王者に輝いたマヂカルラブリーさんでしたが、世間の声は厳しかったと記憶しております。2019年の歴代最高レベル?と言われている大会との比較なのか、伝統との比較なのか、メディアの煽りなのか、一つ一つの声の背景はわかりませんが、以下の声が上がっていました。

・あれは漫才ではない

・動きで笑わせるって小学生でもできそう

・審査員の基準がおかしかった

 

これに対して松本人志さんはこんなことを言っておりました。

===

「漫才の定義っていうのは基本的にない」

「定義はないんですけど、あえて設けることで定義を裏切ることが漫才なんですよ。だから定義は作るんですが、これは破るための定義」

「野球のすごい大一番の時に、ピッチャーが消える魔球を投げたみたいな話なんですよ」「我々プロは『すごいな! ここで消える魔球投げてくるんや!』と思うんですけど、にわか野球ファンなんかは『あれは卑怯だ。あそこで魔球投げるかね。真剣勝負せぇや』みたいな意見出てくんですよ。これはたぶんね、一生交わらない」

===

 

つまり、松本人志さん自身も、マヂカルラブリーさんの漫才は「漫才」という枠外であったとおっしゃっているように見て取れます。

■枠外の行動を評価するのか、しないのか

そもそもM1グランプリの評価基準は「とにかくおもしろい漫才」であると、公式サイトにかいてあります。人事において、評価をすることは会社にとって、「最も貢献してくれた人」が評価される、と同じような話だとすると、お笑いの審査基準を設けることは人事の評価基準を設けること。ただ、評価をしていくと、評価基準の枠の外で頑張った人は絶対に出てくる。ここをどう扱うかという点に類似している気がします。

評価基準外のことは全く評価しないとなると、それこそ手段先行の組織で、機械的な組織になりかねず、評価されることにしか目が向かなくなりそうです。

 

例えば、個人の売上がすべてという評価基準がある会社で、売上はそこそこで、メンバーに対して情緒的な支援をし、周囲メンバーの売上の底上げをしてくれている人がいたとします。

その人を全く評価しないとなると、個人最適化が進み、本来の組織の目的である、1+1を2以上にしていくことは難しくなるような気がします。

 

ですので、明確でかつ具体的すぎる評価制度であれば、たしかに運用は楽になりますし、評価を受ける側の心理的負荷も少なくなるように思います。ただ、デメリットとして枠外の行動が少なくなる可能性も秘めているのではないでしょうか。あえて、抽象的な評価基準を設けることも一考の余地ありかと思います。

 

ですので、そもそも定義がないような漫才でかつ、評価基準も抽象的な「とにかくおもしろい漫才」というM1グランプリにおいて、マヂカルラブリーさんが優勝することに何の違和感もなかったのが、個人的な感想です。

ちなみに、村上さんの声と、丁寧な敬語でつっこむ感じが好きでオールナイトニッポンをよく聞いております。これからもがんばってください!という届かないであろう声を発信しておきます。

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木下雄介

愛媛県出身。新卒で飲食ベンチャーであるきちりに入社後、リクルートに不動産広告の営業職として転職。 飲食ベンチャーでは成果が出ている店舗は“人”のコンディションがいいことや、“人”をマネジメントすることの難しさを感じた。リクルートでは“人”の課題で苦しんでいるクライアントと対峙してきたことから、漠然と“人”に興味が湧いていた。そんな中で当社の「結論ありきのコンサルティングはしない」というスタンスに魅力を感じ入社を決め、今に至る

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