■「かかる」とは
今日は、バラエティでよく使われるある言葉について、考えてみたいと思います。そのある言葉とは、「かかる」です。聞いたことありますかね…。
“松本人志の酒のつまみになる話”の中で千鳥の大悟さんが、最近のテレビ番組で喋った言葉と編集後のテロップが違う(付け加えられる)ことがある、こないだあったのは、ある芸人さんが、「〇〇でかかった…」という話をしていたテロップに、括弧付きで(エンジンが)を入れられた、それに対して、かかるにはいろんなニュアンスがあって、決してエンジンがかかるっていう限定的な意味ではない(笑)という話をされていました。
では、かかるという言葉の意味とは何なのか。いろんな番組をみていて、なんとなくですが、2つの意味があるような気がします。まずポジティブな意味での「かかる」とは、マラソン選手でいうランナーズハイ的なニュアンスで、その場において周囲の期待値以上に笑いが取れたときなのかなと(フロー状態とか、無双状態?という感じのニュアンス)。もう一つのネガティブな意味での「かかる」とは、自分のエゴを押し通そうとして、周囲や場が見えなくなることだと解釈しております。(あくまで個人的見解ですが)
■かからないようにするためには
上記のネガティブな意味を前提に、仕事をしていて、皆さんもかかる状態になったことはあるのではないでしょか。ちなみに、僕はあります…。私がPMをしていたあるプロジェクトの会議中に、必要以上に感情を乗せて喋って場の空気が凍りついたり、上司との飲みの席で他愛もない会話の中でかかってしまい、上司を不快にさせてしまったりと、結果としてあまりいいことはありませんでした。おそらく皆さんのご経験の中でも、自分のエゴを押し通そうとして、周囲や場が見えなくなったご経験の末路は、あまりいいものではないのではないでしょうか。(時として、あえてそれをやる場合だと、周りが見えている状態ですので、問題ないかと思いますが)
では、この(ネガティブな意味での)かかる状態を防ぐための方法として、まず一つは自己認知を高めることが大前提必要かと考えます。どんな状態で、どんな人の振る舞いで、どんな会話の内容で、自分の強いこだわりやエゴを持っているのか、という点について客観的に把握し続けることが必要だと思います。自己認知を高めることで、その状況に陥ったとしても、自分がかかる状態になることが事前に予想できさえすれば、あとは一呼吸置くなり、少し離席するなり、対策は如何様にもとれます。
もう一つ対策を上げるとしたら、「かかる」という言葉を使い、かかっている人に対して、冗談半分で指摘する(さっきかかってたで笑という感じで)のもありかと思います。(ある程度信頼関係が出来ている人同士という前提がありますが)実際、あるプロジェクトの会議中に、かかってしまう部下がいましたが、前述の方法で指摘をすることで変な空気になることもなく、かつ、かかる状態も(今のところ)なくなり、いい雰囲気で会議ができていると思います。(僕の完全な主観ですが)
価値観やエゴは誰しも何かしら持っていると思いますが、出すタイミングや、出し方を間違えれば、場の雰囲気を壊しかねません。組織にいる以上、雰囲気は意識せざるを得ないことかとも感じます。(特に日本では)今一度、自分はどういう価値観やエゴを持っているのかを振り返ってみるのはいかがでしょうか。
木下雄介